ブログをご覧いただきありがとうございます。
僕は、株式投資歴20年で一応サイドFIREしています。
他の方のように何億円も勝っている訳ではないですが、相場歴だけは長いので、その経験の中で学んだことをブログに書いています。
よろしければ最後までお付き合いください。
前回は「PER」について書きましたが、今回は「PBR」について書いてみたいと思います。
PBRとは?
「PER」と並んでよく使われるのが「PBR」という指標です。
「PBR」は「Price Book-Value Ratio」の略語で、日本語では「株価純資産倍率」と呼ばれます。
簡単に言うと、会社の純資産と株価を比べて割安さを見る指標です。
例えば、トヨタであればたくさんの工場がありますよね。工場には様々な機械もあります。
また、たくさんの現金もありますし、売掛金だって何兆円って規模です。これらはトヨタが持つ資産です。
反対に借入金などの負債も多額です。
それらをすべて評価して、資産から負債を引くと純資産が分かります。
乱暴に言うと、もし会社を清算したら、借金などを返しても純資産の分は残るので、株主はそれをもらえることになります。
いくらもらえるかを計算したものが、「1株あたり純資産」で「BPS」とも呼ばれます。
PBRは「株価」÷「1株あたり純資産」で計算します。また単位は「倍」です。
具体的に3つ例をあげてみます。
①株価が1000円で「1株あたり純資産」が1000円
PBRは、1000円÷1000円で「1倍」となります。
これは、1000円で株を買えば、会社を清算すると1000円もらえることになります。つまりトントンですね。
②株価が1000円で「1株あたり純資産」が2000円
PBRは、1000円÷2000円で「0.5倍」となります。
これは、1000円で株を買えば、会社を清算すると2000円もらえることになります。1000円儲かりましたね。
③株価が1000円で「1株あたり純資産」が500円
PBRは、1000円÷500円で「2倍」となります。
これは、1000円で株を買えば、会社を清算しても500円しかもらえません。うれしくないですよね。
あなたがもし株を買うなら、3つのうちどれを選びますか?
この条件だけなら②を選びますよね。
つまり、PBRは低いほど割安となります。
PBRの注意点
PBRは低いほど割安と説明しましたが、いくつか注意点があります。
1 資産の中身について
会社の資産には色々あります。例えば商品の在庫は、きちんと売れているものならば立派な資産です。
しかし、型落ちや流行遅れでまったく売れる見込みがない商品はどうでしょうか。そんな不良在庫が山のように倉庫に眠っていたら、会社を清算してもまったくお金は残りません。
これではPBRがいくら低くても意味がありません。
逆に、古くから持っている都心の土地があり、実際に売れば何百億も入ってくるのに資産としての評価が数億円だった場合は、会社を清算して土地を売れば大儲けできます。
この場合は、PBRが高くても株を買う価値はあるかもしれません。
このように、PBRを基準に投資するのであれば、資産の中身にも目を向ける必要があります。
2 PBRが低い理由
PBRが低い株は、なぜ低いかを考える必要があります。
考えてもどこかに答えが書いてあるある訳ではないのですが、自分なりの考えを持っていないと株価が下がった時に耐えれなくなってしまいます。
PBRが低い理由の例として
- 業績が悪く、現在赤字か将来赤字になり資産が減っていくと投資家が考えている。
- 不良在庫が積み上がっている。
- 赤字ではないが今後、業績が伸びないと投資家が考えている。
- 不人気な業種である。
- 日本株全体が売られている。
などが考えられます。
この中で、赤字の会社や不良在庫が積み上がっている会社は、避けた方が無難です。
と言っても不良在庫がどれだけあるかなんて分かりませんが、資産の多くが在庫の会社は、過去からの在庫の推移くらいは決算書を見たほうが良いでしょう。
ちなみに僕は、在庫が極端に多い会社は、PBRが低くても投資しないようにしています。
また、赤字の会社は、業績が良くなって黒字になれば株価が急上昇するので、黒字になりそうな株を買うという投資法もあるのですが、なかなか難易度が高いので最初はやめた方がいいと思います。
PBRは使えるのか?
これについては、あくまで僕の感想です。
20年くらい投資を続けてきて感じたのは、「単純にPBRだけではあまり使えないが、PBRが低いと暴落時に株価の下落が比較的少ないので負けにくい」ということです。
例えば、人気があってPBRが高い株が、もし業績の下方修正を出すと連続ストップ安になることがあります。
しかし、PBRの低い株が業績の下方修正を出しても、ストップ安になりにくいというのが実感です。
本来、PBRが低いということは、資産をうまく活用できていないダメな会社という評価なのですが、もともとダメな企業と投資家が考えているので、多少下方修正が出ても下がりにくいのではないでしょうか。
また、PBRがあまりに低くなると、会社の持つ資産から見て割安だと判断する投資家が出てくるので、下がりにくい面もあると思います。
結論として、PBRだけでは投資できないが暴落時のクッションとして有効である、というのが僕の意見です。
東証改革
突然ですが、日本株のPBRは、アメリカ株などと比べると低いです。
低い理由は、日本の会社は長年利益を蓄えすぎて、大きくなった資本をうまく活用できていないためと言われます。(=ROEが低いとも言います)
簡単に言うと、「お金を貯めこんでいるが、金儲けが下手」ということです。
本来、PBRが1倍以下というのは、解散した方がお得という状態なので、不思議な状態なのです。
このおかしな状況を改善するために、東京証券取引所(東証)は、上場している会社に「株価を何とかしろ」と改革をせまったのです。
これにより、投資家への還元姿勢が強くなりました。
具体的には、配当の増額や配当の基準を明確にする会社が増え、発表と同時に株価が上昇するケースが増えました。
今まで評価されていなかった低PBRの株が、東証改革により株価が上昇しています。
今後、配当を増やしそうな低PBR株を買うのも一つの戦略です。
会社が公表する中期経営計画や企業説明会などを見ているとヒントがあるかもしれません。
まとめ
PBRだけを見て投資判断はできませんが、低PBRの株の貸借対照表(B/S)を見ると投資のヒントになることがあります。
しかし、いきなり貸借対照表と言われても分からないと思います。
もし、本格的に個別株に投資していくのであれば、簡単な本やネットでいいので貸借対照表や損益計算書の見方を勉強して、実際の決算短信などを見てみることをオススメします。
ちなみに僕は、現金と有価証券だけで時価総額を上回っていて、PERが10倍くらいの株があれば積極的に買っています。